心と身体に悪い一日の巻 |
【#2 ちょうごう→ポーション→ゼラチン】 ●さて。 早速ですが、今回の実験の原料を紹介します。 ・ポーション(プレミアムボトル)4本 400ml ・粉ゼラチン2袋 10g 本来ならポーションという魔法薬を使用するので、大掛かりな魔導実験設備を用意し、アルコールランプに乳鉢、蒸留装置やガラス棒、果ては賢者の石などが必要なのですが、今回は時間がないので超緊縮版で作ります。あと30分ほどでゲストを迎えに行かなきゃならないし。 この日は祝日だったのですが、たまたま両親が用事があって出かけてくれていて助かった。こんな怪しげな調合を我が母親に見られようものなら、何を問い詰められるか分かったもんじゃありません。 余談ですが、ちゃんとHPの更新用に携帯電話を用意して写真を取っているあたりが、我ながらちゃっかりしていると思います。 ●作業工程はこんな感じ。 (1)まず、瓶の中身を全部空けます。 キレイです。すばらしくキレイな色です。 青い絵の具がついた絵筆を洗ったかのごとくクリアーな青です。ステキすぎます。この色が身体にいいわけがない。 ちなみに開封し中身を器にそそいだ段階で、ポーションのあの特有の薬臭い匂いが部屋に充満しました。つくづくこの清涼飲料水はケミカルな存在だと想起させてくれます。 (2)中身が注がれた器を電子レンジへ。 室温で保管してましたが、それでもそのままではさすがにゼラチンが混ざらないでしょう。 とりあえず1分間温めてみる。 温度を確かめ、もう少し温めようともう1分レンジに。 (3)粉ゼラチンをお湯で溶かす。 1袋5gで250mlを固めることができるようです。2袋あるので、ポーション4本と、ゼラチンを溶かしたお湯でピッタリくらいでしょうか。 お椀に熱湯を注いで粉ゼラチン投入。箸でガシガシかき混ぜます。 (4)ポーションとゼラチンを混ぜ、粗熱を取る。 溶かしたゼラチンをポーション液の中へ。 最初に入れていた器は煮物を盛り付けるものなので、冷えやすいアルミのボールに中身を移し変えます。鍋に水を入れ、ボールをつけて粗熱を取ります。 ビューティフル! なんて美しい色でしょう! ゲームの世界の泉の色とまったく同じです! 見てください、この神秘的な青さ! でもコレが食品だと思うととたんに気持ちが萎えます。 充満するポーション臭……。鼻について仕方がありません。出来上がっても食べたくないなあコレ。 粗熱も取れたので、とりあえず冷蔵庫へ。 (5)後片付け。 とりあえずポーション臭を飛ばすため、キッチンの換気扇を回し窓を開ける。 あとはパッケージをゴミ箱へ。 ポーションの中の箱を処分しようとしたら、人の顔みたいに見えたのでとりあえず撮ってみる。 しかし「お前ろくなもん作らねーな、まずいぞ絶対」って警告を投げかけてるような顔に見えるのは気のせいでしょうか? (6)実食。 出来上がりはこんな感じになりました。 容量が多かったせいか、ちゃんと形を保てず自重で潰れました。 こんもり盛り上がった形を見たかったのに残念。 ところで、お味の方は――。 薬臭いです。 味がないです。 でも嫌な風味が口の中に残ります。 一言で言えば不味いのですが、何でしょう一言で表すとこの物体の味を正確に表せません。 少なくとも、ポーションそのものを普通に飲むよりさらにダメな味に成り下ってるのが怖ろしいことこの上ない。 色はきれいなんですよね。そう、色だけは。 たとえば缶詰のみかんとか入れて、シロップも入れて、甘みを強めれば少しはマシな食品になったんだろうか? そんなことを考えてみたりもしたのですが、もう2度と試したくありません。 【→#3へ】 |