アリアンロッドリプレイ #1−1

 〜冒険に出るロクデナシたち〜


GM:……さあ、では冒険を始めましょうか! このゲームには、今回予告というものがあります。
壬鉄(以下アイヴィー):あるんかい!(笑)
GM:要するに、次回予告の今回版?(笑)
toto(以下フィエラ):ROニメだ(笑)。
GM:さぁ! では今回予告! ……というのを、実はぜんぜん考えてなくてだな(苦笑)。

 すいません。忘れてたんですよ今回予告作るのを。

アイヴィー:だめじゃん……。
GM:(即興で)「結成されたギルド、ダンジョンに潜るパーティ。彼らを待つものは?!」アリアンロッド第1回! タイトルは――
フィエラ:「なむ〜」(笑)
一同:「なむ〜」なのか?! タイトルが「なむ〜」なのかっ?!(爆笑)

 こらこら、いきなり全滅の予感がするタイトルをつけるんじゃない(笑)。

GM:えー、冒険の舞台を、上級ルールから出させてもらいます。えー、空中庭園というところがございます。
アイヴィー:おお、隠しダンジョン。
GM:いえいえ、空中庭園テニアという都市があるのですよ。ソードワールドで言うところの、「墜ちた都市」の墜ちる前です。
フィエラ:……で?
GM:で、そこは例によって例のごとくダンジョンがいっぱいあるのですが。まあ君らはそのテニアにいる冒険者だと思いねえ。
フィエラ:……ええと、そこはコンロンっていう――(笑)。
一同:(笑)

 ひたすらフィーチャリング・ラグナロクですなおまいら。

GM:さあ、君らはどういう理由でこの街に来てギルドとして集ったのか?
フィエラ:分かりません。
GM:なんてこった(笑)。みんな考えてくれ。
フィエラ:えーと……運命に導かれて?(超なげやり・笑)
GM:そのためにライフパスがあるんだよ君らぁぁぁぁぁ!(笑)
フィエラ:だって天涯孤独なんだもん(笑)。
GM:じゃあ天涯孤独で流れ着いてきた、と(笑)。
アイヴィー:もともと魔術師だったんだけど、とある人物に会ってから、自分の力をもってして悪を排除しよう、というような思想に目覚めて。
GM:うわ怖ぇ、断罪マシーンだ!!(一同笑)
フィエラ:うーん……やっぱりさやさ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン!(笑)
一同:(爆笑)
GM(ニルヴァーナ):じゃあ、私は呪いを解く方法を探しにここに来た、でいいか。
アイヴィー:
錬金術を人の役に立てたくて。だからスキルもサポート中心で取りました。
GM:(カバンの中身を探す……ごそごそ)あー、アイヴィーさんすいません、トランプ持ってます?
アイヴィー:あるよ。取ってくる。
GM:よっしゃー。必要なのに忘れてきたトランプ(苦笑)。
アイヴィー:……あ、でもどこにあるかなぁ……(取りに離れる)。
GM:なんてこった。ここまできて、すっかり忘れてた。トランプ持ってこなくちゃいけなかったんだ(笑)。なくてもできないことはないんだけど、トランプを使うシナリオなんですよ。

 上級ルールのランダムダンジョン。トランプを使うことでランダムにダンジョンを生成できる、準備不足のGMを助けるステキなルール(笑)。今回は、コレを使ってやってみよう、という趣旨なのです。
 まあ、GMは初めてアリアンロッドをマスタリングする人なので、正直バランスとか分からなかったのですよ。ランダムダンジョンなら、きっとバランスが取れてるに違いない、と踏んだのです。
 ……これがのちのち、とんでもない結果になろうとは……。

フィエラ:トランプがなければ、トランプの替わりになるものならいっぱいあるなあ。
GM:いや、トランプでないとまずい。スート(絵柄のこと)と数が関わってくるのですよ。
フィエラ:(不敵な笑み)ふっふっふ……
GM:お? なんですか、もしかして持ってますか?!
フィエラ:(ぐっ)そんなものはサイコロで代用できるっ!!(笑)
GM:え〜〜〜? ……13面ダイス?(笑)
フィエラ:違いますよ。52面ダイスです(笑)。

 サイコロで代用できないこともないのですが……ジョーカー2枚と各スートのAは特殊な運用をする上、サイコロですと確率の問題上、1Dである必要がありますからね(2D以上だと確率分布に差が出てしまう)。13より数が上のダイスって20面ダイスと100面ダイスしかありませんし、それもAの使い方からちょっとムリが出ます。トランプを使うにこしたことはありません。

アイヴィー:(彼方から):あった〜!!
GM:あった?! おっし、よしゃ!
アイヴィー:(戻ってきた)お、これプラスチック製だ。
GM:うらやましい。なんかねー、ウチにあるトランプってみんな紙製なのよ。
アイヴィー:スペードのAだけ、何故か絵柄が違う理由って知ってる?(笑)
フィエラ:それは多汰美ねえさんに騙されてるだけです(笑)。

 ……それはトリコロプレミアムビジュアルファンブックという本を持ってない人には分からないネタですじょ?
 かく言う私も持ってなかったのでセッション当日は分かりませんでしたよ(笑)。
 余談ですが、スペードのAだけ絵柄が違うのは、かつてトランプに税金がかけられていて、税金を払った印を押していた名残なんだそうで。へーへーへー。

GM:アリアンロッドの世界では、冒険者というのは地位が確立してます。ならず者ではございません。
フィエラ:ふーん。
GM:しかも、冒険者は全員神殿管理です。
フィエラ:なるほどねー。某MMORPGとは違うわけだね〜。
GM:なんで神殿管理かって言うと、冒険者はもともと神と悪魔の大戦の時に使われた神具を探す、という名目で発祥したからなのですよ。とはいえ、冒険者すべてを管理するのは大変なので、ギルドという単位で管理しているのですよ。
アイヴィー:なるほど。
GM:で、あなたたちは登録を済ませたばかり、ということにしときまひょか。
アイヴィー:(ペットボトルを持ってきて)入れるぞー。
GM:おう、では爽●美茶を頂戴いたします。
アイヴィー:いっきまーす!
GM:ありがと。
アイヴィー:……おっしまーい(注いでない)。
GM:おしまい?! 早っ!!(一同爆笑)
フィエラ:どうやら馬鹿には見えないお茶らしいよな。
GM:……そうかー、ゴメン俺バカだから分からないんだー。ということでバカでも見える茶を買ってまいれ(一同爆笑)。
アイヴィー:(胸を張って)そんなものはない!!(笑)
GM:ないのか?!(笑)がびーん。
フィエラ:がびーん。
GM:なんてこった。さて、受付を済ませた君たちに、神殿の人が声をかけます。「君たちはギルドを結成して登録したわけだが」
フィエラ:そうですじょ。
GM:「えー、ギルドマスターの……フィエラさん、だったか?」
フィエラ:はい。……いつの間にかなってました。
一同:いつの間にかっ?!(笑)
GM:ギルド内の割り振りは自由に決められるんだがなあ(笑)「じゃあ、ギルドマスターの君に仕事を頼みたい。君らの資質を試したい、というのがあるのでな」
フィエラ:腕試しですね。
アイヴィー:望むところです。
GM:「まあ、この都市では恒例なんだが、冒険者になったら未探査のダンジョンをひとつ、探索してきてもらうとういうのがあるんだ」
フィエラ:ふむ。
GM:「ダンジョンがどれくらいのレベルなのかは正直分からんが、危険なようなら帰ってきてくれ。そうでなければ、全部探索してほしい」
アイヴィー:ふむ……(フィエラを見て)こらこらこら!
GM:何だ何だ……(同じくフィエラを見て)何かキャラクターシートのプレイヤー名に“ダメ人間Lv26”とか書いてるぞ(苦笑)。「ともかくだ。そのダンジョンを探索してきてもらうのが今回の仕事なわけだが」……(アイヴィーを見て)メイドスキーLv30とか書いてんなそこぉ!!(笑)
一同:(爆笑)
GM:チャチャの入れづらいことをやんなっ! ICレコーダーは、書いてることは記録で残らないんだぞっ?!(一同爆笑)

 いちいち音声で残さねばならないこの苦労(苦笑)。

GM:まったく、この人たちは……。
フィエラ:いちいち報告するまでもなかろうに(笑)。
GM:「ただ、ダンジョンの規模は小さなものだと思われる。入り口とか形状とか構造とか、今まで見つかってきたものと比べても、な」
フィエラ:ふんふん。なるほどね。
GM:「ということで、探索に行ってきてもらいたい。中で手に入れたアイテムなどは、君らの入手物となる」
フィエラ:つまりー、勝手に漁って、報告しさえすれば、中のものは自由にして構わない、と(笑)。
GM:「条件としては、中のマップを提出してもらうこと。探索が完遂できなかった場合は、その理由も報告してほしい」
アイヴィー:モンスターとかも?
GM:そうそう。倒したか、倒してないかも必要。
アイヴィー:こんなのがいて、歯が立ちませんのでとっとと帰ってきました〜、とかいう感じになるわけか。
GM:「そうしたら上級者が行くし、もし万が一君らが帰ってこなければ、君らの死体を探索しに行くメンバーを集めるわけだな」(笑)
フィエラ:わーい(笑)……ほとんどウィ●ードリー(一同爆笑)。
GM:「まあ、そんなにどぎついことにはならないと思うぞ」
フィエラ:うん、大丈夫だよ。ヴォ―パルバニーとかヴォーパルバニーとかヴォーパルバニーとか(笑)。
一同:(爆笑)
GM:いねえよそんな生き物(笑)。
フィエラ:な〜んだ、違うのか。じゃあレベル1ニンジャとかレベル1ニンジャとかレベル1ニンジャとかそういうことですね?(笑)
GM:(そんなに首チョンパされたいんですかアンタは)そういうのが欲しいなら別にいいぞ?(笑)ということで、そのダンジョンまでの経路を示してくれるわけなんですが、なんとテニアは便利なことにワープポイントがあるのですよ。
フィエラ:……便利だなあ(しみじみ)。
GM:有名なダンジョンとか、大概のところは「行きます」というと「じゃあ、このワープポータルで」と(笑)。
フィエラ:ぽた屋という。
アイヴィー:いや違うよ、カプラさんだよ。
GM:ただ、ワープポイントによっては、ランダムに変わったりとか(笑)。
フィエラ:やった〜!(笑)
GM:安定してたと思いきや、実は何月何日周期で転送場所が変わるとか、そういうワープポイントもあるので、そういったものを調査するのも冒険者だったりするわけですな(笑)。
フィエラ:ふんふん。よーするに、身体を張っていろいろやってこい、ということですな?(笑)
GM:そういうことです。若手芸人です!(笑)
フィエラ:やった〜!(笑)
アイヴィー:上等上等。
フィエラ:死して屍拾うものなし(笑)。
GM:「さ、では行ってきてくれたまえ」
フィエラ:は〜い、頑張っていってきまーす……。

 何だかやる気がねえなあ(笑)。とまれ、彼らは未踏破ダンジョンへえっちらおっちら赴きます。

GM:ああ、ダンジョンは当然のことながら誰も入ったことがないので名前もついてません。君らが探索し終わったあとに名前をつけてやってください。
フィエラ:なるほど。
アイヴィー:人工幽霊一号とか(笑)。
GM:こら。
フィエラ:人工幽霊一号は違うだろ!
GM:じゃあ、どなたかダイスを。1D6振ってください。
フィエラ:ん。(ころころ)

 ダイスの数によって、そのフロアの大きさが決まるのです。出目を確認し、ダンジョンシートに記入をし、フロアタイル分のトランプを抜き出すGM。よーく切って、裏返しにして山積みにします。

GM:さあ、一枚お引き。
フィエラ:ハートの6。
GM:(チャートを見つつ)……行ったきり老人だって。
一同:(笑)
フィエラ:……なんじゃそりゃ。
アイヴィー:邪悪なものなら排除する!
GM:こらこらこら、いきなり排除するな(笑)。まだ邪悪と決まってはおらーん!
一同:(爆笑)
アイヴィー:じゃこん!(銃を準備)
GM:えーと、そうするとだな。こんな感じのフロアになっていてだな(かりかりとMAPを描く)。
フィエラ:なるほど。十字路が変形してるって感じなのね。
GM:そそ。
フィエラ:で、“マロール”って言うと、「石の中にいる!」って出ちゃうのね(笑)
GM:ぎゃーす!(笑) ……でだな、真ん中へんに、ぽつねんとおじいさんが。
一同:(素っ頓狂な声で)はいい?!
フィエラ:……(困惑)えっと、じゃあ……エネミー識別だ(笑)
GM:ぽつねんとおじいさんが座っているわけですが、君たちが入ってきたのに気がついて、「……な、なんじゃあ? お主たちは、なんじゃあ??」
フィエラ:なんじゃあ、って……じいさん、ダンジョンの中でなにしてるんですか?
GM:「あー、ワシかあ。ワシはのお……出口が分からなくなってしまってのお」(笑)
一同:えええええええええええええ?!(笑)
フィエラ:いや出口そこ。
GM:「…………へ?」
アイヴィー:出口こっちなんですけど(入ってきた方を指し示す)。
GM:「…………あれ? ……そこか??」
フィエラ:そうそう。
GM:「…………そこは見てなかった!!!」
一同:えええええええええええええ?!(爆笑)
GM:「いや若いの、ありがとう! やっとこれで外に出られるわい〜」
フィエラ:ええと、とりあえず道に迷ってたんですね? そういうことにしておきましょう(苦笑)。
GM:「いや〜、お嬢ちゃんこれも何かの縁じゃ。コレを上げるよ。ああ、これでやっとワシは家へ帰れる〜」って、外に出ていきます。
フィエラ:ああ、良かった良かった。
GM:で、MPポーションを1個貰いました。
アイヴィー:な、なんだったん……?
フィエラ:MPポーション……アタシにはいらないなあ。メイジがもっててくれ。
GM:じゃあニルヴァーナがMPポーション貰います。
アイヴィー:ギルマス。
フィエラ:ん?
アイヴィー:……今のはいったいなんだったのだ?
フィエラ:…………。
アイヴィー:…………。
フィエラ:(遠い目)分からん。
一同:(笑)
GM:まあボケたおじいさんがそこにいたのかもしれないし。
フィエラ:まあ、でも、もしかしたら、ダンジョンの奥地に迷い込んじゃって、迷いに迷った挙句、実は正解の寸前のところまで来ていて、力尽きてただけかもしれないから。……うん、そっとしておこう(笑)。
一同:(爆笑)
フィエラ:深い詮索はしないっ!!(爆笑)
アイヴィー:精神的安定にも、そのほうがよさそうだな。

 よく分からない展開に戸惑いつつも、彼女たちは探索を実行します。
 プレイヤーがダイスを振り、その度にGMはルールブックを確認してMAPを記入したり、トランプのスートと数字からチャートを確認したり……。
 あれ? もしかしてコレってすごくGMの負担(&参照時間がロス)になってないか??
 マスタリングしながらもそう感じてたのですが、実際リプレイにしてみるとより実感できますな。何せわざわざ文字に起こす必要がない部分多すぎ(苦笑)。

フィエラ:じゃ、どんどんと部屋を調べていってしまおう。
アイヴィー:もしも何かいたら、すぐに頭を伏せるがよい(妙に偉そう)。
フィエラ:(苦笑しつつ)……あんた行動順一番遅いでしょうに。(トランプをめくる)。
GM:ハートのJだねえ。ハートだと……。
アイヴィー:(唄う)ハートのジャックがでてこなーい♪ ハートのジャックが……
フィエラ:……それ以上、謎の台詞を吐くと、サイコロつぶてで殺します(笑)。
アイヴィー:大丈夫、マトリックス避けで避けるから。
フィエラ:(ドスの利いた声で)……ホントに避けられるか、試してみようかなぁ……?(笑)
GM:扉を開けると、子供がいますね。部屋の隅に、ボロボロの格好の少女がひとり隠れてますねえ。
アイヴィー:ほえ?!
フィエラ:ほい? じゃ、その子供に近づいていってみようか。「どうしたの? お嬢ちゃん」
GM:(か細い声で)「……たすけて。たすけて。ここまで連れてこられたの」
一同:なに〜〜〜〜〜!(笑)
フィエラ:なんだよ、人攫いカヨ!(笑)分かりました、じゃ助けてあげましょう。
GM:「つ、角の生えた……背中に翼の生えた……」がたがた。
アイヴィー:ていうと……?
フィエラ:なんだ?
GM:なんだろうねえ。
フィエラ:サっきゅん(=サキュバス)か? サっきゅんだったら勝てないぞ?(笑)サっきゅんでもインきゅん(=インキュバス)でも勝てないぞ? まあとりあえず保護しました。
GM:うん、保護されました。
アイヴィー:怪我はない?
GM:まあ、いろんなとこ擦りむいてるくらいだね。
アイヴィー:とりあえず、大きめの服を渡して肩からかけとこう。
フィエラ:バックパックにしまっちゃおう(笑)。
アイヴィー:しまうなあ!(笑)

 ……ソレのほうがよっぽど人攫いだよ(苦笑)。

GM:バックパックに入るほど小さくないよ。まあ5〜6歳だと思いねえ。
フィエラ:まあ毛布くらいなら持ってるから被せとこう。
アイヴィー:とりあえず、一回、出入口のところに戻って保護したほうがいいのではないか?
フィエラ:うーん……そうだねえ。このままモンスターと戦闘するのは危ないからねえ。じゃ、とりあえず一回外に出て。神殿まで戻ります。
GM:ん? もう神殿まで戻っちゃうの?
フィエラ:いや、一回戻って、また探索は続けるんだけど。この子を抱えたままでは歩けないので。
GM:じゃ、子供を神殿に預けにいきますか?
アイヴィー:……ややや、ちょっと待った。ここで「はい・いいえ」の質問ボックスが出てるってことはシナリオ的に何かあるんじゃ?!(考えすぎ)
フィエラ:ん? まあ報告的には「まだ探索が終了していないけれども」だー。要・保護の子供を発見したので置きにきました、という話をするわけだ。
GM:じゃあ戻りました。神殿です。
フィエラ・アイヴィー:(ハモって)すいませ〜ん。
GM:(神殿受付)「あら。お早いお戻りで。どうしたんです?」
フィエラ:いえ、探索の途中だったんですけど、迷子の女の子がいまして。
GM:(神殿受付)「まあまあまあ。それはなんてこと!」
フィエラ:ダンジョンの中に、人攫いにさらわれて閉じ込められていたらしいのですよ。
GM:(神殿受付)「……じゃあ、他の子供とかもいるのですか? あら大変!! 他の子たちもいないかどうか、探してきてもらえないかしら?!」
フィエラ:それはもちろんなんですが、とりあえずこの子を連れまわしたまま、モンスターや人攫いと戦うわけにはいかないので。
GM:(神殿受付)「分かりました。ではこの子はこちらでお預かりいたしましょう」と。じゃあ、またダンジョン探索に戻るわけだね。
フィエラ:うん。さっき女の子を見つけた部屋まで戻るよ。
GM:じゃあ、そこまで戻るのに往復で2時間ってとこだね。
フィエラ:はいぃ、2時間?! 長ぇなあ〜。
アイヴィー:やばいなあ。
GM:だって、神殿とワープポイントが一緒になってるわけじゃないからねえ。神殿からワープポイントまで行って、ワープポイントからダンジョンまでてこてこ歩いて、その部屋に戻るわけだから。
フィエラ:はいはい、了解です。
アイヴィー:まあ戻ろう。
GM:じゃあ、さっきの場所まで来ました。

 再び探索を続ける一行。下り階段のある部屋を見つけるのですが……。

GM:降りる階段がついてるのですが、手前にどちゃっと、なにやら光る石の山が。
一同:……はい?(困惑)
フィエラ:光る石? (アイヴィーに)……はい、アイテム鑑定して(笑)。
アイヴィー:はーい。アイテム鑑定しまーす。
GM:うーん、鑑定というより感知+2Dで振ってほしいなあ。
一同:ほーい。(ころころ)
GM:そうするとだな、50ゴールドで売れそうな宝石を石の山の中から6個ほど見つけます。
フィエラ:合計300か。やったー。
アイヴィー:重さはいくつ?
GM:重さは1として扱ってください。
フィエラ:6個で1?
GM:いや、1個で1(笑)
フィエラ:1個で1……1個で1ぃ?!
アイヴィー:げ!
フィエラ:だから余計なものは買いたくなかったんだ!(冒険者セットに野営道具とか入ってるのを知らなくて、重複して買ってたことにダンジョン入ってから気がついた人)
アイヴィー:わたし、1個しか持てない。
GM:ニルヴァーナは比較的バックパックに余裕があるので詰め込めるだけ詰め込めますが。
フィエラ:重量の余裕いくつある?
GM:バックパック分まるまる。合計5。
フィエラ:じゃあまるまる詰めてくれ(笑)。……なんだ、じゃあ余計なモン買わずに置いてくりゃよかったー!
GM:じゃあ神殿まで戻ってアイテム置いてきて(笑)。もしくは今、この場に置いてゆくこともできるよ。
フィエラ:……じゃあ、まあシーブズツール以外は置いてこ(笑)。
アイヴィー:野営道具を置いてこ(この人も野営道具を重複して買ってた人)。
フィエラ:いやいやいや、野営道具は置いてくなよ!
アイヴィー:だって冒険者セットがあるもん。
フィエラ:……そうだ冒険者セットがあったぁ(笑)。うちらマヌケすぎる。
GM:もったいねー。帰りに神殿でうっぱらってください(笑)。で、どうする? 降りる? それとも探索してない部屋を探索しに行く?
フィエラ:じゃあ残りの部屋を探索してしまおう。
GM:あい。そうするとここは……(MAPを描いて)ここに、宝箱っぽいものが。
フィエラ:じゃあ近づいてみよう。そろーり、そろーり。
アイヴィー:じゃあ後ろで待機。
フィエラ:何も起きないなら、とりあえずトラップを探すことから始める。ぺたぺた。(ころころ)……ああ、出目が低いわ。10しかない。
GM:10か〜。えーと、これは……
アイヴィー:(唄う)あるかな、あるかな〜♪ こーわーい、トラップあるかな〜♪
フィエラ:帰れ!(一同爆笑)
GM:……うーん、特に何もないような気がするなあ。
フィエラ:……仕方がないから開けてみよう。たぶんトラップがありそうな気がするんだが(笑)。
GM:んじゃ、開けた。え〜、開けると……どんな風に開けた?
フィエラ:え? ……う〜ん、そうだなあ。射撃系の罠が怖いから、箱の裏に回って、抱えるような形で蓋を開けた。
GM:ああ、分かった。そうすると、箱が「がこん!」と。
フィエラ:うん。
GM:蓋から外れて落っこって。
フィエラ:うん。
GM:同時に床に穴が開いて、中身が全部フロアの下に落ちます。ひゅ〜……。
一同:…………。
フィエラ:……南無い(笑)。つまりこの下を探せばなんかあるかもしれないってことね?!
GM:うん。というわけで君は、箱の蓋だけ持ったまま固まるわけだ(笑)。
一同:…………(苦笑)。
GM:中身は全部下に落ちましたが。
フィエラ:(嘆息)……南無いわ(笑)。まあいいわ! たぶん下の階に落ちてるかもしれないから! 落ちてるかもしれないからっ!! ありえないけど落ちてるかもしれないからっっ!!!(やけっぱち)
一同:(爆笑)
アイヴィー:(冷たく)ギルドマスター……。何をやっているのだ?
フィエラ:……さあ、ねえ……。フェイト使って振りなおせばよかった(泣)。

 あーあ。せっかく出したアイテムなのに。落っことしちゃったよこの人たち。
 とまれ、ダンジョンの第1層を探索し終えたPCたち。
 次の層では何が彼らを待ち受けるのか?!

(続く)


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