アリアンロッドリプレイ #1−3 |
〜無謀に突貫するロクデナシたち〜 強敵、ワイトと戦ってずたぼろな面々。休憩を取ってほんのちょっとだけ回復したけど、この先の探索は大丈夫なのか? GM:じゃあトランプを引いてくれ。 フィエラ:おう。(ぺろり)……スペードの8。スペードだとねえ、何となく敵がいるっぽいんだよねえ。 GM:さすがカンがするどい(当たりだよ。ランダムダンジョン、スートで分類されるからねえ。スペードはモンスター、クラブは休憩場所、ダイヤは宝物、ハートがイベントなのだ)。 アイヴィー:かーん。 一同:…………。 アイヴィーの中の人であるプレイヤーの得意技、寒いジョークが発動しました! ソレハナンデスカ、勘とかーんという擬音をカケテイルノデスカ? フィエラ:(押し黙ってお茶をすする) GM:……すごくみんなの動きが止まった(笑)。 フィエラ:……まあ、ね。バルゴのシャカだからしょうがないよね(苦笑)。 GM:形としてはこんな形になってます(MAP描き描き)。中央だけ壁で仕切られた小部屋みたくなってるね。 フィエラ:うん、じゃあその仕切られた部屋に突撃するしかないんでしょ? だって向こうの扉を開けたら目の前にキマイラがびよーん! そう。隣の部屋にはキマイラがいましたね。反対側の扉から入ったときには後ろを向いていました。 ということは――この扉を開けると、目が合っちゃうよね? ワイトでアレだけ苦戦した一行。キマイラは避け、小部屋の中を探索することに。 フィエラ:よしよし、それでは扉を開けてみよう! えい! アイヴィー:ぱかっとな。 GM:そうするとだな―― フィエラ:中にムナックが15〜6体。 一同:ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!(悲鳴) GM:……いや、それがよろしいのでしたら、それでも構いませんが? えー、真ん中に台座があって、宝石が何個か置いてあるんですが。 一同:ふんふん。 GM:その周りに! 鷹みたいな、鳥みたいなのが。何匹も。 フィエラ:エネミーですね? GM:エネミーですねえ。 アイヴィー:はいはーい。識別しまーす。ほいっと。(ころころ)ほい、12。 フィエラ:(対抗してころころ)……6・ゾ・ロ。 アイヴィー:おお! フィエラ:こんなところで余計に6ゾロ(アイヴィーに勝った満足感と、大して重要でもないところで良い出目を振った虚脱感がない交ぜになった表情)。 GM:こいつらはイーグルです。モンスターレベルは2。 フィエラ:……あ、じゃあ何とか戦えそう。 GM:ええ。でもいっぱいいるんですよ(笑)。誰か2Dを振ってください。……出目の悪い人が振るといいかと思います(笑)。 アイヴィー:じゃあ私だな(本人も自覚症状あり)。 フィエラ:よし!(笑) アイヴィー:(ころころ) 宝石を囲むイーグル。2Dの出目の数だけ出現するのです。 1ゾロならとてもとても楽な戦いになるのですが―― アイヴィー:(出目を見て)……あははははは!! あははははははははは!!(爆笑) GM:……イーグル12匹いますねえ(笑)。 出目は12。ほんと、期待を裏切らない奴だ(笑)。 さっきフィエラが言ってた「ムナック15〜6体」とさして変わらないモンスターハウスですよ? フィエラ:(ニルヴァーナに)ファイヤーボールとかはないのかい? GM(ニルヴァーナ):「ない(きっぱり)。それは上位魔法です」……ちなみにサムライはトルネードブラストという、モブを全滅させるスキルを持っているんですが――すいませんイーグルはモブじゃないんです。 ちなみにFEAR独特の概念であるモブ。敵なのですが、数体まとまって1グループとして扱われる、いわゆる雑魚キャラです。たとえば「山賊の集団」とか「チンピラたち」みたいな考えですな。 フィエラ:……すいませんじゃあニルヴァーナも前衛に出て戦ってください(苦笑)。 アイヴィー:12匹と戦うの?! フィエラ:でも、囲まれると回避が減少するってことはないんだよねえ? GM:ない。 アイヴィー:いぇ、うぃえええ?(動揺) フィエラ:……いいかお前ら、日銭を稼ぐには命がけってコトデスヨ?(笑) 頑張りましょうね。12体もいるんですから、全滅する覚悟で突っ込むのが当たり前です! アイヴィー:でも12匹はないでしょ12匹は!! GM:いや、でもだって私が12を振ったわけじゃないし〜(笑)。 フィエラ:期待値的には7匹前後で済むはずだったんだけどね〜?(笑) アイヴィー:ははは、さすが私(笑)。 フィエラ:(試しにサイコロ振ってみる)……アタシだって10匹だよ(笑)。 GM:(同じく振ってみる)……私だったら3匹だ(苦笑)。 フィエラ:まあ12匹倒せば、12匹分のドロップが手に入るかもしれない。頑張ろうよ! 泣きそうだけど(笑)。 いや泣きそうなら逃げろよ。 プレイヤーたちが「扉を閉めて逃げる」という選択をすると思ったのですが―― 何せ、アリアンロッドを実際にプレイするのはGMもプレイヤーも今日が初めて。2レベルのイーグルがどれくらいの戦闘能力を持ってるのか、プレイヤーも把握してないのです。 どうしよう。GMも半分泣きそうです。特に、今日のGMの出目は妙に走ってるので、正直レベルでの判断が関係ないような気が。 GM:じゃ、こっから戦闘フェイズです。イーグルの行動値は6です。 アイヴィー:遅いや。 フィエラ:……君よりは常に早いがな(笑)。 一同:(笑) フィエラ:だから銃捨てろ。 アイヴィー:えええー!!(一同爆笑) GM:銃、強いんだよ。当たれば。 フィエラ:うん。どうせ当たりゃしない(一同爆笑)。 とりあえず、フィエラと、ワイト戦でMPを使い尽くしたニルヴァーナが前衛に立ち、その後ろからアイヴィーが援護射撃を行う――という理想的な戦闘隊形を取ります。 そう。形だけは理想的でした。 GM:さあ! それでは12体の攻撃が始まります!(もはやヤケ) 意外にイーグルのくちばしって、それほど当たりやすくない反面、ダメージでっかいのです。 前衛に立ったフィエラとニルヴァーナに5匹ずつ、そしてイーグルは空を飛んでるので後衛のアイヴィーの元にも2匹。 1〜3ターンはほとんど無傷でやり過ごしたものの、回避力に劣るニルヴァーナが少しずつ削られてゆきます。 対して、プレイヤーたちの攻撃。ギルマスのフィエラが一人獅子奮迅。フィエラは何とか当てて1匹減らすものの―― アイヴィー:いっきまーす!(ころころ) GM:もういい加減当てて下さい……なんで出目4とか振るかなあ? 避けた。 アイヴィー:なんか、下手な鉄砲だな(笑)。 GM:ほんと当たらんなー。 フィエラ:数撃っても当たらないって、下手な鉄砲を通り越してるよ(笑)。 アイヴィー:だって全然出目が走らないんだもん、しょうがないやん(笑)。 銃弾が明後日のほうにしか飛ばないアイヴィー。照準狂ってるんじゃないか? そして本職がメイジで、魔法攻撃を主体にしているニルヴァーナもカタナでの攻撃は当たらない。 4ターン目、イーグルからの攻撃を避けきれずにニルヴァーナが満身創痍で死にかけます。 GM(ニルヴァーナ):HP残り2点。 フィエラ:2点しか残ってないじゃないか!(爆笑) GM(ニルヴァーナ):生きてる、生きてる。大丈夫大丈夫。 アイヴィー:はい、じゃあ回復させまーす。 フィエラ:このゲーム、ヒールの威力が低すぎるんだよー! それはアイヴィーのレベルが1レベルなのと、奴の出目がすこぶる悪いのが原因だから、アリアンロッドをデザインした菊池たけしは悪くないと思うぞ(笑)。 アイヴィー:よし! 今度は8点回復。 GM:……プロテクション(ダメージを受けたときに掛けることで、受けるダメージを減らせる)とか持ってないの? アイヴィー:うん。あるのはヒールとキュアとブレッシング。 はい。ここでアイヴィーの取っているスキル「ブレッシング」の説明。 ラグナロクオンラインでは、筋力と知力と器用度にレベル分だけ足せるという必須スキルなのですが。 アリアンロッドでは違います。効果は「対象の行うすべての行為判定にダイスを1個追加」です。 つまり攻撃も回避も、全部サイコロ1個多く判定できるのです……が。 このスキルの効果時間は「そのラウンドの終了まで」なんですね。 つまり、このスキルの効果を発揮するには、掛けたい相手が行動する前に、ブレッシングを掛けている必要があるわけで。 そして、現在のプレイヤーの行動順は「フィエラ→ニルヴァーナ→アイヴィー」の順なわけで。 ……さーて、行動順が一番最後のアイヴィーさんは誰を祝福してダイスを1個増やしてくれるのでしょうか? フィエラ:だから、行動値が遅い人のブレッシングは意味ないんだよ。――ダメじゃん!(笑) あんた何とってるの! 一同:(笑) フィエラ:だからアルケミストはダメだっつーの!(笑) GM:銃捨てろと(笑)。 フィエラ:捨てろよ! もうアコライト/アコライトにしろ!(笑) アイヴィー:なるほど、アコライトとアルケミストの組み合わせはけっこう鬼門だってことが分かった(笑)。 フィエラ:鬼門すぎるって。回復役が遅いって最悪じゃん(笑)。 それはさておき。 5ターン目、ニルヴァーナはフェイトまで使って回避しようとするも果たせず―― フィエラ:このゲーム、ダメージがでかすぎ。 GM(ニルヴァーナ):ああ、何か倒れるし。ぱったりだ。 フィエラ:……はいい?! お、お亡くなりに?!(笑) 早いよ!! GM:では、ニルヴァーナの前にいた残り5匹はフィエラのところへ飛んできます。 これにより、戦闘の状況は―― フィエラ vs イーグル×4 +イーグル×4(ニルヴァーナの前にいたグループ) アイヴィー vs イーグル×2 +イーグル×1(ニルヴァーナの前にいたグループ) ニルヴァーナ(戦闘不能) 超不利。 フィエラ:じゃあ、アタシは8対1だね。……つらっ!! アイヴィー:回復に専念しよか。 フィエラ:まだいい。とりあえず、近場の鳥を墜としてよ。 アイヴィー:でも銃だから近場の鳥は撃てない。 フィエラ:じゃあアタシの前にいる鳥を墜とせ! 数を減らさないと! 頼むから当てて!(笑) アイヴィー:(サイコロを握り締めて祈りながら)……フォースよ、我に力を…… フィエラ:いやいやいや、だからフォースにお願いしなくていいから当てて!(笑) 何とかアイヴィーの銃弾が敵を捉えるもののイーグルを撃墜できず。 ニルヴァーナが倒れる前に攻撃したイーグル(残りHP1)を叩き落そうとフィエラが殴るも―― GM:ごめん、6ゾロった(笑)。 アイヴィー:あはははははははは!(笑) フィエラ:オカシイデスヨ! オカシイデスヨ、カテジナさん!!(笑) しかも、アイヴィーがイーグルの攻撃をすべて食らってしまい。 アイヴィー:やべー。 フィエラ:……どこがモンスターレベル2なの? こいつら(笑)。 GM:さあ。てか、12匹がいすぎだと思うんだけどね。 フィエラ:まあアタシもそう思うんだけどねー。……はい、ムリムリ、と(笑)。 GM(ニルヴァーナ):誰か起こして〜! フィエラ:ムリムリ。……アイヴィー、ポーションピッチャー(手持ちのポーションを投げて回復させる)は? アイヴィー:ないもん。 GM:むー、めちゃめちゃだよう。なんで12匹もいる中につっこむかな〜(頭を抱える)。 フィエラ:(げっそりと)……ま、頑張ってみようよ……。 アイヴィーがヒールを掛けますが、回復量が焼け石に水。 回避能力の高いフィエラも、さすがに連続で攻撃されると何発か当たってしまい―― GM:(ころころ)ぎゃー、出目が高いー! 15点ダメージ。 フィエラ:……ああ、死んだ。HPぜろ。 …………。 ああ、全滅コースまっしぐら。 プレイヤーもGMも「だめじゃん」という雰囲気が漂いまくり。 おかしーなー、テストプレイをしたときはここまでぼろぼろにならないはずだったのに。何せヒール、フェイトを使ってサイコロを増やしてもろくすっぽ回復しないんだから(4D振って出目が9とかなんだもんなあ)。 致し方ない―― GM:とりあえず、宝石に近づかなければ倒れた仲間を引きずって逃げられそうな気がする(救済措置)。 という言葉を受けて、全力で命からがら逃げ出すプレイヤーたち! 休憩できそうな部屋に逃げ込んで、ほんの少し持ち直します。 GM:まさかこんなに苦戦するとは――っていうか、12匹はさすがにね。 アイヴィー:半分の6匹だったら大丈夫だったのにね。 フィエラ:誰のせいだ? どこのどいつだ12なんか振りやがったのは?(笑) アイヴィー:誰だ12なんか振ったのは。 一同:お前だよ!(総ツッコミ) フィエラ:はいはい!(挙手) これ以上の探索はキビしいと思います! GM:えーと、MPポーションがまだ2こあるから、先に進めないこともなさそうだね。 フィエラ:あー、探索できるエリアだけ探索するというのもアリなのか。 アイヴィー:敵がいたら、さっさと逃げる、と。 身体はもとより、どちらかというと精神的に疲労しまくってるプレイヤーたち。 一回帰る? それとも強行突破? どうする? どうするよ? (続く) |