アリアンロッドリプレイ #6−5

 〜誘導作戦とロクデナシたち〜


GM:今日は全体的に、私の出目が悪いなあ。
フィエラ:ううん? ソンナコトナイヨ?
GM:イヤ、ワルイデスヨ?
フィエラ:何発アイヴィーの銃弾を背中に浴びたと(笑)
GM:それは君の出目が悪いだけ(笑)
フィエラ:……今週も全体的に出目が悪い(一同笑)
GM:それは私のせいじゃございませんよー。

 とりあえずインプと鷹との壮絶バトルを制したPCたちは、入手した鍵をキキーモラに見せてみることに。

アイヴィー:おーい、モラ〜?
GM:モラって誰?!(笑)
フィエラ:愛称を付けたいらしいよ。モラだって。
GM:モラちゃんなのか。「う〜ん、この鍵は見たことないですねー」
フィエラ:じゃ[アイテム鑑定]かな。

 キキーモラまで加わって(おい)全員で判定するも、結局分からず。

GM(キキーモラ):「ただの鍵に見えますけど……でもこの鍵を使ってる姿をみたことないですねえ」
フィエラ:あ。忘れてた。キキーモラ、2階の床にあるでかい扉って何だか分かる?
GM(キキーモラ):「あそこは館がひっくり返ると、上になったほうが開くんです」
フィエラ:で? 中には何があるの?
GM(キキーモラ):「上下に目玉みたいな機械が入ってて、開いてるほうの中から出てくるんです」
フィエラ:あれがもう3機いるってこと? ……めんどくせー!

 結局、その後もキキーモラから部屋の構造やらを聞き出すPCたち。
 しかし後から聞き返してみると、GMはキキーモラからヒント出しすぎたな。探索モノなんだから、もうちょっと絞り気味でも良かったかもしれんね。

アイヴィー:……そうか! あのアイテムがあった部屋のドラム缶は虫除けだったんだ!(正解)
フィエラ:何なんだこのマンションは。
アイヴィー:ホーンテッド・マンション?
GM:もともとホーンテッドだったんだけど、魔族が来てさらに混沌としたマンション?
フィエラ:サイアクの上塗りじゃないか〜!(笑)
アイヴィー:サイアクにサイアクを塗る(笑)
GM:疑惑の集合住宅ですよ。
フィエラ:上手いこと言った! 山田君、座布団持ってかなくていいからこいつの首はねてー(笑)

 何で上手いこと言うとペナルティが待ってるんだろう(笑)。

フィエラ:ともかくねー、残りのカードを入手する手段がないんだよ。もう一回ゴーレム倒しに行くと多分死ぬんだよ(笑)
GM:回復してるんだから、いけるんじゃない?
フィエラ:ホントかぁ? アレの破壊力おかしいぞ?
アイヴィー:こっちが攻撃して、1点でもダメージ与えて、すぐドアを閉めるってのは?
フィエラ:あのね。あっちのほうが【行動値】高いの。アイヴィーがドアを開けて銃を構えた瞬間、魔法が3発飛んできて死ぬの。

 重ね重ね、どの敵も「強行突破できなくもないレベル」で組んでますからね。逆に言えば、無理すると手痛い損害を食らうレベルでもあります。ストームアイの9D6ダメージ《エアリアルスラッシュ》がPC一人に3発も集中したら《プロテクション》があっても致死レベルですね。
 さあ考えれ、考えれ。ヒントは既に渡したよ?(余談ですが、別窓で開く館のMAPの下段に「強行突破しないときの方法」が載ってたりします)

アイヴィー:……今、凄まじく外道な考えが浮かんだんだけど。
GM:なんでしょう?
アイヴィー:もう一回ひっくり返しておいて、キキーモラにその部屋に入ってもらって、キキーモラに内緒でもう一回ひっくり返して、でキキーモラに攻撃引き受けてもらう(笑)
フィエラ:死ぬ死ぬ。キキーモラが死ぬ。
GM:あ、一発分は消せるかな? 「《インタラプト》ぉ〜!」
アイヴィー:それでも1ラウンド分奮闘してもらえれば!
GM:(使い捨てにしたり、万が一キキーモラがやられるようなことがあったら、容赦なく成長点を減じるけどな)
フィエラ:かといってドッペルゲンガーの部屋もどうなのかが分からないけど、うちらと同じ強さの敵が出てくるとしたら、かなりキツイよ?
アイヴィー:もしくはただのお笑い要員か。
フィエラ:罠になってないじゃないかよ!
GM:お笑い要員って何ですか(ま、シナリオの進行時間によるかな? もともとはPCと同じ能力値、ただしスキル一切なしってのを考えてたけど。《加護》もない分はるかにPC側が有利だけど――長引くからなあ。長引くようなら得意分野対決かなんかでお茶を濁そうか?)
フィエラ:どうしようかなー。何か、手詰まり感が強いんだけど。
GM:割と途中でいい線いったんだけどねえ。
一同:…………?

 悩むことしばし。

アイヴィー:(ぶつぶつと)……キキーモラの代わりに? ……スペクター誘導して? (ひらめいた)……ああ〜そうか! そういうことね〜!
フィエラ:何?
アイヴィー:ほら、囮! スペクターって、キキーモラを追っかけるんでしょ? キキーモラにあそこの部屋(MAPの「天井と床が開く部屋」)まで連れてってもらうわけよ。そしてキキーモラだけ逃がしてドア塞げば、ストームアイがぼとぼとぼと、と。
フィエラ:で、相打ちさせんの?
アイヴィー:そう。
フィエラ:う〜ん……上手くいくかねえ?
アイヴィー:上手くいかなくてもどっちかは消耗してるはずだし、そしたら一気にぶっ叩けばいい。
フィエラ:……まあ、やってみる価値はあるかな?
アイヴィー:問題は、ストームアイの攻撃がいつ始まるか、なんだよなあ。最初も、わたしたちが入って1ラウンドくらい出てこなかったよね?
GM:んなこたない。一番最初に攻撃したよ?
フィエラ:それも入ってすぐだった。
アイヴィー:てことは、キキーモラが部屋に入った瞬間、ストームアイに迎撃される可能性もあるわけだ(笑)。あと、スペクターの入ってくるタイミングも問題。
一同:う〜ん……。
GM:(もうちょっと考えれ)
フィエラ:スペクターとキキーモラの移動力が――
アイヴィー:ん? ちょっと待って! ――違う! わたしたち、根本的な勘違いをしてた!
フィエラ:……何?
アイヴィー:わざわざストームアイがいる状態の部屋に突っ込む必要はないんだよ!
フィエラ:なんで? (理解した)……あ〜! なるほどね!
アイヴィー:何もいない状態にしたときにスペクターを閉じ込めて!
フィエラ:で、ひっくり返せばいいってことだな。
アイヴィー:だから、十分いける!

 はい、正解です。
 【行動値】はそれぞれキキーモラ13、スペクター9。ストームアイは12。
 そして【移動】はキキーモラ18、スペクター14なので、追いかけっこをする限りではキキーモラは必ず逃げ切れるのです。ストームアイは部屋から出てこない設定だし。どれもエンゲージを[封鎖]する能力はないので、たとえエンゲージ状態になっても、メジャーアクションさえ消費すればエンゲージから離脱できるし。
 ……ところでこのリプレイのために念のためエネミーガイドとデータを見比べてみたら、スペクターの移動力がドレッドダンジョン掲載時の14から24に増えちゃってたので、エネミーガイド準拠にすると成立しなくなってしまうギミックになってます。そこんとこだけ注意。

 図にすると、こんな感じ。
 

GM:スペクターは飛べます。キキーモラは飛べないのでご注意を。
アイヴィー:あ、飛べないんだ。
GM(キキーモラ):「飛べたら便利ですよね。天井のお掃除楽なんでしょうに」
アイヴィー:ともかく、追いかけっこに関しては確実に心配する必要ないわけだ。……途中で盛大にこけたりしない限りは。
GM:大丈夫。《ドジっ娘属性》なんてないから。、そんなスキルも書いてないから(笑)
フィエラ:ということで、スペクターを一気にやっつける方法を思いついたので、手伝ってちょうだい。
GM(キキーモラ):……がくがく、ぶるぶる(笑)
フィエラ:まあまあ。
GM(キキーモラ):「ががががが、頑張りま、頑張りますます(がくがく)」

 しばらく喧々諤々と誘導方法を検討し、いざ作戦実行。PCたちとキキーモラが各所にスタンバイして、扉をオープン!

アイヴィー:じゃ開けるよ〜! がちゃりこ、と。
GM:(出てきた)「うらめしぃぃぃぃ。うらみはらさでおくべきかぁぁぁぁ。うらみ……(階上のキキーモラを見つけて)きぃぃぃぃぃぃぃっ?!」
フィエラ:出てきた。
GM(スペクター):「あたしの壷を割った侍女めぇぇぇぇぇ?! 八つ裂きじゃあああああああ!!」(一同爆笑)
アイヴィー:割ったんかい!(笑)
フィエラ:何か生前のトラウマが(笑)
GM(キキーモラ):「……フィエラさん! 来ました! 来ましたあ!」
フィエラ:(横に隠れている)とりあえずアイツと一緒に一回中に入って、中から逃げて!
GM(キキーモラ):「だだだ、出してくださいよ? ちゃんと出してくださいよ?!」じゃあキキーモラが部屋に逃げ込んで、スペクターが追いかけて入っていった。じゃあここから戦闘ラウンド扱い(笑)
フィエラ:うん。
GM:【行動値】の一番早いキキーモラが部屋から脱出しました。次の【行動値】10の人。
フィエラ:ドアを閉めます。
GM:はい、閉じ込めたよ。
アイヴィー:じゃ、上下反転装置のところにいるニルヴァーナと合流。
フィエラ:アタシとキキーモラは他の部屋に移動。
GM:はい、じゃ上下ひっくり返した。
フィエラ:じゃひっくり返ったあと、念のためドアを押さえておくよ。
GM:はい、じゃあこっからはGMだけの戦闘ラウンドです!(笑)

 予想どおり、ストームアイの《エアリアルスラッシュ》で、スペクターは消滅。まあ、PCたちによって【HP】を半分近くまで減らされてますし当然でしょう。
 本当はこの後ストームアイを処理する必要があったのですが、朝10時すぎから開始したこのセッション、すでに3時間が経過。まだラスボスが控えているというのにストームアイまで処理していると、お昼ご飯がいつになるか分かりません。
 しょうがないので、スペクターとストームアイは相打ち扱いとしたのでした。

GM:はい、じゃあ部屋の中が静かになりました。一応スペクターをやっつけたので、ドロップ品を(笑)
アイヴィー:……いいのかなあ?(笑)

 このドロップ品判定にフェイトをつぎ込んで、見事アイヴィーは2500G相当の「恨みのキャンドル」ゲット!
 スペクターが持っていたダイヤと、ストームアイの格納庫に入ってたスペードのカードを発見。無事カードが4枚揃いました。
 さて残すはついにボス戦! ホントに大丈夫なのか?

(続く)


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